この映画のトーンがよかった。
ずっと最初から最後まで徹底されてた。 まるで同じリズムがずっと鳴っている感じ。 私はそれに身を委ねた。 入りこめた。 主人公の独りぼっちさに入りこめた。とても切なくなった。哀しくなった。苦しくなった。 でもそれだけで終らずこの映画には希望っていうか生命力があった。 全て儚い希望に向かっている映画だった。 だから観た後切ないのだけど何だかいい気分だった。 アーティストってその人なりの希望をどう描くかなのかもしれない。 この映画が表す希望を私なりに味わった気がした。 映像も演出も斬新だった。でも 手法が一人歩きせずにとてもはまっていた。 語りが(一瞬やる気のなさそうなしゃべり方なんだけど)とても心地よかった。 語りといえば北の国からの純君の語りも好きだな。 主役の二人、イッセー尾形さんと宮沢りえさん、そして語りの西島秀俊さんがよかった。 宮沢りえさんは本当に美しかった。 宮沢りえさんは以前何かの賞を受賞した時「自分は女優に向いてないからほんとやめようと思った」みたいなことをコメントしていた。印象的だった。 いろんなタイプがいる。 宮沢りえさんはいわゆる上手な器用なタイプの女優じゃないのかもしれない。 でも彼女にあった場所をきちんとお膳立てしてくれれば輝く。 この映画ではとっても綺麗だった。 トニー滝谷ウェブサイトhttp://www.tonytakitani.com/ #
by akiyama-yoko
| 2005-02-08 20:35
| 映画Movie
弦楽器が好きだ。昔から。
k.d.lang『hymns of the 49th parallel』にはふんだんにストリングスが使われてる。 この作品はカヴァーアルバムで、私がライヴでカヴァーしてる曲「ハレルヤ」も入ってる。 弦楽器って下手すると甘くなりすぎる傾向があるけど、このアルバムでは本当に節度よく使われてる。 特にお気に入りなのは5曲目の「The Valley」。 後半にビオラかチェロのソロっぽいところがあるんだけど もう何度聴いても感動が薄れない。 ここで泣きそうになる。 そういえば1997年のアルバム『drag』でも結構弦楽器が使われてる。 このアルバムのジャケットは刺激的すぎてついつい正視できず裏返しにしてしまう。 これも何度見ても衝撃が薄れない。 弦といえば坂本龍一の『1996』も好き。 ピアノとチェロとヴァイオリンの編成。 ライヴビデオを観たけど演奏にとても熱いものがあってよかった。 私も自分のアルバムに何曲か弦楽器を入れようと思ってる。 ここで試聴できます。 hymns of the 49th parallel オフィシャルサイトで全作品試聴できます。 http://www.kdlang.com/ #
by akiyama-yoko
| 2005-02-06 21:57
| 羊子のCD紹介
ニーナ・シモンのDVD「ライヴ・アット・ロニー・スコッツ」を買った。
ニーナは全身音楽だった。 表面的な動きは最小限で内でとっても躍動してる。 美空ひばりさんを思い出しちゃった。 泣く子もだまるような貫禄。 ニーナは時おり鍵盤から離れてドラムのみで踊りながら歌い出す。 客をおありながら。 印象的だったのは、ステージが暑いみたいで演奏しながら何度も何度も汗を拭く。演奏が止まって堂々と汗を拭いたときは曲が終ったと思った。だけどブレイクだった。曲がまた続いたときには笑っちゃった。 意外だったのはインタビューで声量が少ないから工夫してると答えていたことだ。 だってとても声量があるように聴こえる。マイクからすごく離れて歌ってたし。 このライヴはポール・ロビンソンというドラマーとデュオの編成。 とてもよかった。 何ていうかドラムがいい意味で全く気にならなかった。 でももし欠けていたらとても喪失感を感じるだろうなぁ。 だからある意味存在感があるのかな。 おかげでニーナの世界に没頭できた。 以前ある人から頂いた言葉を思い出した。 「大きなキャンパスに絵を描きましょう。共演者には自分の世界の登場人物になってもらいましょう」 メンバー同士、お客さんと演奏者同士がリスペクトし合ってて、良いライヴってあたたかさがあるなって思った。 ライヴをしたくなった。(笑) #
by akiyama-yoko
| 2005-02-01 20:41
| 羊子のCD紹介
「ニーナ・シモン自伝~ひとりぼっちの闘い~」を読んだ。
うーん、不器用な人だなぁって思った。 ニーナとは生きた時代も場所も環境も、音楽的背景も違う。 私と共通するのはクラシック音楽が土台となっていること。 そんな自分とは違うニーナの半生を読み進む中で伝わったことは ニーナはいつも音楽に対する敬意、誇りを持っていたことだ。 例えばニーナはライブ中に客が騒いで演奏を聴いてない時、中断して静かになるまで再開しなかったそうだ。 頑として。 アーティストはいい意味で頑固な方がいいけど、 ニーナはまさにそうだなって思った。 一本芯が通ってる。 だからこそ、人がついてくるし逆に衝突や誤解も生じる。 そんな葛藤が描かれていた。 一本芯が通ってる人(もの)って好きだなぁ。 一本芯が通ってるといえば矢野顕子の「PIANO NIGHTLY」、ベックの「SEA CHANGE」ってそうだなぁ。 両作品は以前聴いた時は地味な印象だったんだけど、聴き直してみて芯が通ってるもの独特の説得力や誠実さ、力強さを感じた。 目からウロコだった。 ニーナ・シモンはライブのDVDが出たようだ(1/28発売)。 買いに行かなくちゃ。 まだライブの映像一度も観たことないんだよね。 もう亡くなっちゃってるんだけど、もし生きてたら海を飛び超えてでもいきたい人。 ジェフ・バックリーもそう。 #
by akiyama-yoko
| 2005-01-27 23:35
| 本Book
今日は「森山・新宿・荒木」展に行ってきた。
二人の写真家森山大道さんと荒木経惟さんが新宿を被写体にした作品が展示されてた。 40年近く前の古いものもあればごく最近のもあった。 うーん。何だか生なましかった。とっても。 今私が住んでる街だからというのもあると思う。 荒木さんの写真はヌードが多い。風俗のお仕事してそうな女の人、女優、モデルのような女の人、普通っぽい女の人、、、いろいろだった。 共通するのは、どこか皆何ていうか誇らしげなところだ。 私は何だかいい気分になった。とっても。 荒木さんがそういう部分を引き出すのが上手いのかもしれない。 それと単純にとてもきれいだった。女の人の身体ってこんなにきれいなんだって思った。 昔ある番組で荒木さんが撮影してる模様を追ったTV番組があった。確か被写体は一般の人だったと思う。 その時印象的だったのが、服を脱いでいくごとに女の人の表情がとっても力強く魅力的に変わっていった事だ。凄いって思った。その時。 森山さんの写真は被写体がカメラ目線じゃないのが多い。 風景の場合も森山さんのは一歩引いたような印象を受ける。 そのままを写してる感じ。余計なものがない。 それ故に伝わってくるものがある。 私は新宿にはよく行く。 ごみごみしてて決してきれいな街じゃないけど何故か落ち着く。 小奇麗な街は苦手。何となく疎外感を感じる。 東京オペラシティアートギャラリーで3月21日まで開催してます。 おすすめです。 #
by akiyama-yoko
| 2005-01-26 20:49
| 芸術Art
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